南阿蘇鉄道

春爛漫の南阿蘇鉄道を行くトロッコ列車ゆうすげ号

日本一長い駅名、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅があるのが南阿蘇鉄道。12角形の山小屋を思わせるような駅舎が特徴的だ。沿線はこの駅名のとおり、近辺に阿蘇の豊かな湧き水がいくつもあり近隣に住む人が農作物を洗ったり、タンクに水を汲む姿を見ることができる。阿蘇自慢のきれいな水が生活に根付いている名水路線なのだ。

日本一駅名の長い南阿蘇水の生まれる里白水高原駅

南阿蘇鉄道が運行する高森線は立野から高森までのわずか9駅、17.7kmのミニローカル線である。時間にしてわずか30分だが、トロッコ列車ゆうすげ号に乗って1時間、車窓に映る阿蘇五岳ののどかな野山をじっくり楽しみたい。阿蘇の雄大な景色が心に刻まれることだろう。列車は北側に阿蘇の景観を眺めつつ、東に向かうにつれて高度を上げていく。南阿蘇鉄道は1986(昭和61)年、国鉄高森線を引き継ぐ形で第3セクター鉄道として運行を開始した。1986年当時から観光客向けにトロッコ列車ゆうすげ号を走らせ、全国的にみても現在数多くある観光列車の先駆けだといえる。

トロッコ列車に乗るには、3~11月の土休日に行くと良い。一番の目玉は第一白川橋梁。白川に跨るアーチ型の橋梁で、車窓から首を出して深い渓谷を覗き込むと大人も子供も思わず声を上げる。

開業年: 1986(昭和61)年
営業キロ: 17.7km
所要時間: 約30分(立野~高森)
動力方式: 内燃
運行車両: MT-2000形、MT-3000形、MT-3010形、DB16形、トラ70000形、トラ20000形
営業本数: 28本(立野~高森)、ほかトロッコ列車ゆうすげ号あり
主な観光スポット: 阿蘇下田城ふれあい温泉駅(駅舎内に温泉施設あり)、
一心行の大桜(中松駅から徒歩約15分)、
白川水源(阿蘇白川駅から徒歩約10分)、
高森湧水トンネル公園(高森駅から徒歩約10分)

写真提供:松尾諭