吾妻線

終点の大前駅までの営業本数は5往復のみ。標高は840.4m

上越線で高崎を出発し、関東平野に広がる住宅地を抜けると、ほどなく榛名山と子持山が見えてくる。利根川と吾妻川が分岐する渋川で連絡するのが、“温泉街道”吾妻線である。小野川、四万、花敷、川原湯、草津、万座、沢渡などほぼ全駅に温泉があり、立ち寄り湯には事欠かない。
渋川駅を出ると、さっそく吾妻川と寄り添うように線路は続く。吾妻線の車窓は吾妻川を右に左に見下ろしながら上流を目指し進んでゆく。最初のハイライトは中之条駅。路線内で最も乗降客数が多いのは、四万温泉、沢渡温泉の玄関口となっているからだ。「四万・沢渡温泉口」という副駅名があり、吾妻線の拠点駅である。

次の見どころ、岩島から川原湯温泉にかけての区間の左手車窓に見下ろすのが、吾妻渓谷。“関東の耶馬溪”とも呼ばれる絶景が広がる。列車はさらに急勾配を登っていく。運行している車両は湘南カラーの115系。山岳路線にも対応しているため吾妻線での出番は多い。
草津温泉への玄関口となる長野原草津口手前では日本一短いトンネル、鱒沢トンネル(全長7.2m)がある。長野原草津口以降は吾妻線の最上流域に入っていく。吾妻川と何度も交差を繰り返しながら終点、大前にたどり着く。行き止まりの無人駅のわびしさが、いかにもローカル線らしい。

開業年: 1971(昭和46)年
営業キロ: 55.6km
所要時間: 約1時間20分(普通列車)
動力方式: 電気
運行車両: 107系、115系
営業本数: 普通列車14.5往復(区間列車を含む)
主な観光スポット: 金島温泉(金島駅から徒歩5分)、
四万温泉(中之条駅からバス約40分)、
吾妻渓谷(川原湯温泉駅から徒歩約15分)、
草津温泉(長野原草津口駅からバス約25分)、
半出来温泉(袋倉駅から徒歩約25分)