宗谷本線

宗谷本線の特急「スーパー宗谷」。5時間で旭川~稚内間をつなぐ

日本最北の駅、稚内駅へと続く唯一の路線が宗谷本線である。総営業距離200km、所要時間2時間の最北の地へと向かう北国の長大路線だ。かつては終点の稚内から樺太への連絡鉄道として開発が進められていたが、現在は宗谷岬へと向かう観光路線である。

起点の旭川駅を出発すると、列車は一路北へ向かう。「エレキバン」で有名になった比布駅の手間で石狩川を渡り、蘭留~和寒間では右へ左へカーブを曲がりながら塩狩峠の勾配を行く。旅の序盤から北海道の大自然が出迎えてくれる。

音威子府駅の常盤軒。土産用の生そばの販売もしている

峠を越えると、道北の平野部に入り士別、名寄の市街地を疾走する。天塩川と出会うと流れに沿うように細かに曲線を描きながら北上する。宗谷本線の前身は北海道官設鉄道の天塩線で、現在天塩線と言えば道道106号稚内天塩線のことをいう。日本海を右手に、まっすぐに突き進む一本道はライダーたちの憧れの地だ。

路線は名寄を境に運転本数が半減し、いよいよ「最果ての地」へと向かう辺境路線の風貌を見せる。停車駅の音威子府駅は北海道で最も人口の少ない自治体で、北海道で唯一、人口が1000人に満たない。この駅には途中下車しておきたい。駅車内にある立ち食いそば店常盤軒は旅人たちの間で有名だからだ。音威子府名物の真っ黒いそばが特徴の地粉のそばで、麺にそば殻が練りこまれているため黒い。このそばを求めて北帰行の旅に出るのもいいかもしれない。

抜海駅を過ぎると、秀峰・利尻岳が姿を見せる。終点稚内はもうすぐだ。

開業年: 1926(大正15)年
営業キロ: 259.4km
所要時間: 約6時間分(旭川~稚内/普通列車/直通列車の設定はなし)
動力方式: 内燃
運行車両: キハ40系、キハ54系、キハ150形
営業本数: 営業本数5.5往復(名寄~音威子府間)
主な観光スポット: 名寄市北国博物館(名寄市から徒歩約5分)、
美深町交通ターミナル・美深線資料館(美深駅からすぐ)、
天塩川温泉(天塩川温泉駅から徒歩約10分)、
トナカイ観光牧場(幌延駅からクルマ約10分)、
松阪大輔スタジアム(南稚内駅から徒歩約15分)