駅舎が寺社風の山寺駅。立石寺をイメージした趣のある駅舎だ

仙台と山形（羽前千歳）を結ぶ全長62.8kmの路線。東北本線と奥羽本線を分かつ奥羽山脈を越える、花輪線・田沢湖線・北上線・陸羽本線と梯子上になっているが、その一番南を走るのが仙山線である。序盤は仙台市街地を走り、葛岡辺りから丘陵部に入ると次第に木々の中を分け入る山線に姿変える。以降、山寺まで本格的な山線となり羽前千歳手前で勾配を下り山形盆地へと入っていく。

仙台を出て最初の見せ場が、第二廣瀬川橋梁である。通称、熊ヶ根鉄橋と呼ばれ、1933（昭和8）年に架けられたトレッスル橋で全国でも名のある名橋のひとつである。川面から線路面までの高さは51mと全国で2番目の高さを誇る。続く見どころは、作並～山寺間にある。宮城と山形の県境となるこの駅間を繋ぎ、路線名にもなっている仙山トンネルである（最近まで面白山トンネルと呼ばれていた）。かつて上越線の清水トンネル、東海道線の丹波トンネルに次ぐ3番目の長さを誇っていたが、青函トンネルや新幹線の長大トンネルに陰を潜めかつてほど注目が集まらなくなってしまった。山線区間の最後となる山寺は松尾芭蕉が「静けさや 岩にしみ入る 蝉の声」を読んだ立石寺のあるところだ。駅舎も寺風で見応えがある。
使用車両は719系、701系、721系と交流専用車両でローカル線としては長めの4または6両編成である。