秋田内陸縦貫鉄道

桂瀬~米内沢間を走る急行「もりよし」

秋田内陸縦貫鉄道は、秋田マタギの発祥の地とされる人の手が届かぬ山間を分け入る路線。秋田県の南北を結び、全長が94.2kmもあるため1日の運行は3本のみ。県北の起点駅である鷹巣駅では奥羽本線、県南の終着点角館駅では秋田新幹線と田沢湖線と連絡している。この秋田内陸線はもともと国鉄時代の阿仁合線(鷹巣~比立内)と角館線(角館~松葉)の2路線に分かれており、第3セクターに転換されたときに全通された。

鷹巣~角館間は94.2km、各駅停車で2時間20~30分かかる長大路線だが、急行「もりよし」は同区間を2時間程度で運行する。使用されているAN-8900形車両にはサロン席が設置されており、仲間とテーブルを囲みつつ大きな窓から里山の大パノラマを眺めながら鉄道旅を楽しむことができる。

タブレット閉塞時代、列車の行き違いを行っていた米内沢駅

秋田内陸線に乗る際、押さえておきたいのがお得な乗車券だ。3種類ある土日・休日限定の乗り放題きっぷの「ホリデーフリーきっぷ」と沿線の8つの温泉施設で利用可能な割引券がついてくる往復割引乗車券「ゆけむりクーポン」、新幹線でのアクセスをスムーズにする「こまち乗り継ぎフリーきっぷ」などである。それぞれ旅の目的に合わせて自分に合ったものを利用しよう。

開業年: 1986(昭和61)年
営業キロ: 94.2km
所要時間: 約2時間30分(普通列車・鷹巣〜角館)
動力方式: 内燃
運行車両: AN-8800形、AN-8900形、AN2000形
営業本数: 普通列車34本(鷹巣〜角館ほか区間列車含む)、
急行列車3本(鷹巣〜角館、阿仁合〜角館)
主な観光スポット: 太平湖(阿仁前田駅からクルマ約45分)、
異人館・伝承館(阿仁合駅から徒歩約2分)、
打当温泉・マタギの湯(阿仁マタギ駅からクルマ約5分)、
角館武家屋敷(角館駅から徒歩約20分)

写真提供:松尾諭