一畑電車

近年、盛大な盛り上がりをみせる一畑電車。2010(平成22)年、一畑電車を舞台にした『Railways 49歳で電車の運転手になった男の物語』の公開によって多くの観光客を獲得。DVDの数字も好調に伸び、客足は増すばかりだ。それを助長しているのが2012(平成23)年、古事記編さん1300周年を迎えるということだ。古事記で語られる日本の神々の昔話の1/3はここ出雲が舞台となっているのだ。

一畑電車沿線は、映画でたびたび登場した雲州平田駅や伊野灘駅が観光スポットとなり、説明書きがほどこされている。また、松江しんじ湖温泉駅から出雲大社駅までの15駅の駅舎には「國譲りものがたり」と題した出雲の神話をもとにしたイラストが地元中学生や芸術家によって描かれている。出雲の街並みは古く、情緒ある日本庭園や綿花の流通の道となった木綿街道は長い歴史をもつ出雲の見所のひとつだ。

体験運転ができるデハニ50形運転席

一畑電車は、2006(平成18)年4月に一畑電気鉄道から一新して再スタートをきった。出雲市、出雲大社前、松江しんじ湖温泉をつなぐ42.2kmの路線で、起点駅の電鉄出雲市でJR山陰本線出雲市と接続している。運用されている3形式(2100系、3000系、5000系)の車両は、京王電鉄や南海電気鉄道から譲渡されたものだ。注目は、『Railways』でも登場したデハニ50形が出雲大社前、雲州平田に展示されている。雲州平田では3月31まで一般人の体験運転を実施している。

開業年: 2006(平成18)年
営業キロ: 42.2km
所要時間: 約1時間(電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉)、
11分(川跡~出雲大社前)
動力方式: 1500V直流電化
運行車両: 2100系、3000系、5000系
営業本数: 平日52本・土休日36本(電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉)、
平日44本・土休日36本(川跡~出雲大社前)
主な観光スポット: 小泉八雲記念館(松江しんじ湖温泉駅から徒歩約20分)、
一畑薬師(一畑口駅からバス約13分)、
木綿街道(雲州平田駅から徒歩約8分)、
島根ワイナリー(浜山公園北口駅から徒歩約25分)

写真提供:牧野和人