吉川正洋×CITIZEN 上野駅開業140周年記念ウオッチ Vol.5
1883(明治16)年の開業から140年を迎えた上野駅を象徴する、3つの車両をモチーフにしたシチズンの「上野駅開業140周年記念ウオッチ」。パッと見はちょっとおしゃれなアナデジ時計。よく見たら列車の顔のよう。さらによく見ると……鉄道好きにはたまらないディテールと車両へのリスペクトが詰まっています。鉄道好きだからこそわかる、鉄道大好き芸人の吉川正洋(ダーリンハニー)氏が「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の魅力をVol.6まで、6回の連載で語ります。
第5回 鉄道車両をモチーフにした限定ウオッチシリーズの魅力
連載5回目は、まず2022(令和4)年にリリースされた第1弾「鉄道開業150周年記念ウオッチ」の「1号機関車」「中央線201系」「山手線E235系」の3モデル(2022年に受注受付終了済み)について振り返りながら、第2弾「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の「24系25形(北斗星)」「485系(特急ひたち)」「E26系(カシオペア)」へと引き継がれた、鉄道車両をモチーフにした限定ウオッチシリーズの魅力について語ってみたいと思います。
1号機関車牽引「マッチ箱」客車から「24系25形(北斗星)」「E26系(カシオペア)」へ
「鉄道開業150周年記念ウオッチ」も、今回の「上野駅開業140周年記念ウオッチ」同様に、鉄道愛にあふれた魅力的なラインナップでした。
まず、「1号機関車モデル」です。1872(明治5)年の新橋~横浜(のち汐留[廃止]~現・桜木町)間の鉄道開業時にイギリスから輸入された、150形蒸気機関車1号機がモチーフでした。シックなブラックカラーをベースとして、鮮やかなゴールドとレッドのラインがバランスよく配色。文字板上部には車両正面に輝くナンバープレートの「1」の数字が配置され、時分針は煙室扉ハンドル、ディスク型の秒針は動輪をイメージしていました。さらに、文字板の左右下部には、リンク式連結器の緩衝器風の丸い2つのデザインが施されています。「ANA-DIGI TEMP」の銘板は、車体側面に取り付けられた製造銘板をモチーフにしていました。
1号機関車は、現在、さいたま市の鉄道博物館に保存されています。2006(平成18)年までは東京都千代田区にあった交通博物館に展示されていて、どちらへも何度も訪れているので、親しんだ車両です。ぼくにとって最も印象深いのは、側面に見られる「惜別感無量」プレートです。1号機関車は1911(明治44)年に長崎県の私鉄・島原鉄道に譲渡されたのですが、1930(昭和5)年に保存のため国鉄へ戻されることになりました。その際、当時の植木元太郎・島原鉄道社長が機関車への感謝を込めて揮毫(きごう)したプレートを装着して、返還されました。
1号機関車が牽引した客車は、「マッチ箱」と呼ばれた2軸の小ぶりな木造車体がほとんどでした。それが百年あまりののち、「上野駅開業140周年記念ウオッチ」に選ばれた2形式の客車「24系25形(北斗星)」「E26系(カシオペア)」に進化したことを考えると、ぼくも「感無量」です。
あったかもしれない「24系25形(北斗星)」と201系の一瞬の出合い
次は、「中央線201系モデル」です。1979(昭和54)年のデビューからおよそ30年にわたって中央線を駆け抜け、オレンジバーミリオンの塗色を文字板いっぱいに配していました。文字板上部にはヘッドライトをイメージした夜光処理が施され、時分表示は国鉄職員に支給された腕時計「シチズン ホーマー」がモチーフ、秒表示は201系の運転台メーターをイメージしていました。文字板左右下部には編成札の白赤・白緑色をイメージした配色がなされ、「ANA-DIGI TEMP」のフォントは、側面方向幕そのままでした。
国鉄は誤乗防止のため、通勤形電車の塗色を路線別に変えていたので、中央快速線のオレンジ色201系を上野駅で見ることはもちろんできません。けれど1986~96(昭和61~平成8)年、武蔵野線をオレンジ色の201系が走っていました。1999(平成11)年デビューの「E26系(カシオペア)」には間に合わなかったものの、南浦和駅で「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の「24系25形(北斗星)」が地平の東北本線を通過し、201系が交差する高架の武蔵野線ホームに停車していたという“一瞬の邂逅(かいこう)”は、あったかもしれません。
「上野駅開業140周年記念ウオッチ」に加えてもいいE235系
そして、「山手線E235系モデル」です。2016(平成28)年から営業運転を開始した、ウグイス色のE235系がモチーフです。車両の正面を正確に再現した、ウグイス色とブラックのドット柄グラデーションの文字板が特徴的でした。文字板上部にはヘッドライトをイメージしたデザインが施され、時分針は色を反転させて運転台のメーターをモチーフにしていました。ディスク型秒針は、山手線の路線図が回転するイメージ、「ANA-DIGI TEMP」の銘板は、行先表示器と同じフォントでした。
ウグイス色のE235系は、上野駅の高架2・3番線山手線ホームに頻繁に発着しています。ですから、「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の仲間に加えられたとしても、まったく違和感のない存在だといえるでしょう。
「E26系(カシオペア)」は、いまでもツアー専用の臨時列車として東北本線・常磐線などで運行されています。ですから、上野~日暮里・田端間でE235系との並走や行き違いが楽しめる可能性は十分にありますね。
寝台と特急列車の存在感を再認識した「上野駅開業140周年記念ウオッチ」
「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の3モデル、「24系25形(北斗星)」「485系(特急ひたち)」「E26系(カシオペア)」を見つめなおしてみると、日本の鉄道を長く支えてきた寝台列車と特急列車の重要さと存在感が改めて認識できます。
寝台列車が初めて登場したのは、1900(明治33)年の山陽鉄道(現・JR山陽本線)神戸~三田尻(現・防府)間の急行列車でした。特急列車は、1912(大正元)年の新橋~下関間「大陸連絡列車」が最初とされています。それから100年近くの年月を経て、寝台列車は1988(昭和63)年の24系25形「北斗星」や1999年のE26系「カシオペア」へ。特急列車は1972(昭和47)年の485系「ひたち」をはじめとして、その後も進化を続けています。
いずれもぼく自身、上野駅から何度も乗り親しんだ列車です。そこに至るまでにも多くの人たちの思いを乗せて、走り続けたさまざまな列車の歴史があったのだなと、「上野駅開業140周年記念ウオッチ」を着けた瞬間に強く感じさせられました。
同時に「上野駅開業140周年記念ウオッチ」の「24系25形(北斗星)」「485系(特急ひたち)」「E26系(カシオペア)」3つのモデルに込められた、シチズン時計ご担当者の強い鉄道愛にも感動しました。時計の説明をしてくださったのは、シチズン時計株式会社の開発営業部の早坂さんです。それぞれのモデルには実際に着けてじっくり見てみても、レクチャーして頂かない限りわからないほどのレアな“ギミック”が潜んでいます。ぜひ「上野駅開業140周年記念ウオッチ」と一緒に、自分だけの鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
CITIZEN 上野駅開業140周年記念ウオッチ
左から、「24系25形(北斗星)」モデル、「485系(特急ひたち)」モデル、「E26系(カシオペア)」モデル
受注期間 | 2023年12月12日~2024年1月28日 |
納品予定 | 2024年7月下旬予定 |
価格 | 24系25形(北斗星)(JG2148-66L) :44,000円 (税込) 485系(特急ひたち)(JG2149-63W) :41,800円(税込) E26系(カシオペア)(JG2140-68H) :41,800円 (税込) |
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