乗り鉄道具学

vol.6 Icom【IC-RX7】

バックヤードの「声」を聞いて、身近に「鉄道」を感じよう!

ようこそ〝無線鉄〟の世界へ

昭和30~40年代にアマチュア無線や短波放送を聞くBCL(ブロード・キャスティング・リスナー)に夢中になった経験を持つ読者も多いはず。電波を受信するにはマルチ・バンド・レシーバーを使った。これは長波から中波、短波、超短波、極超短波までの広帯域の電波をキャッチできる通信型受信機。一般のラジオよりもはるかに高性能だが、当時は卓上型が主流だった。ケンウッド、井上電気、スタンダード……。懐かしいメーカーの名前が浮かんでくる。
 あれから40余年。現在のマルチ・バンド・レシーバーは、小さなボディに、最新の回路技術とコンピュータを詰め込んで、ピッ、ピッとボタン操作で選局できるものに変わった。まるでハンディトーキーだ。
 でも、性能はあなどれない。駅の構内や列車の中で、鉄道無線(列車入替、保守作業、業務連絡などに使用)を簡単にキャッチできる。これは“無線鉄”とよばれる立派な鉄道趣味だが、ハンディなマルチ・バンド・レシーバーを鉄道旅に携行すれば、“無線鉄”でなくても、鉄道をもっと身近に感じられる。旅の途上、働く鉄道マンたちの情熱やバックヤードの“臨場感”がダイレクトに感じられるからだ。今回は業界をリードするアイコムとソニーのレシーバーを紹介したい。

メモリーに鉄道のマーク!

 アイコムは、海外にもその名をとどろかす無線通信のトップブランド。事業無線やアマチュア無線などの通信機器を幅広く手がけている。アイコム IC-RX7は10種類近くあるマルチ・バンド・レシーバーのラインナップのなかでも人気機種で、デザインがおしゃれ。防水ボディに十字キーを採用。重さもわずか200gほどで、通常のラジオやFMも手軽に聞ける。なかなか所有欲をくすぐるスペックだ。
 それに周波数のプリセットメモリーに鉄道のマークがある! メモリー能力はなんと1600チャンネルで、鉄道をはじめ消防、航空など26にカテゴライズできる。
 実際に取材で記者が携行してみたところ秘境駅では海外の短波放送をしっかり受信できた。本線移動でも地方FMを楽しくサーフィン。車両基地の近くではバックヤードの業務無線をばっちり楽しめた。

※業務用無線の周波数で受信した内容を第三者に漏らしたり、ネットで公開するのはモラルに反します。また、受信に際して鉄道施設内に立ち入るのは厳禁です。

Icom【IC-RX7】

受信周波数範囲 0.150~1300MHz
モード AM、FM、WFM
寸法 W57×H128×D2mm
重量 約200g
価格 37,590円

November 2020

2020年11月

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