第8回 トワイライトエクスプレス
日本最長距離を走る旅客列車が大阪と札幌を結ぶ寝台特急「トワイライトエクスプレス」だ。その距離は下り(大阪→札幌)が1,495.7km、上り(札幌→大阪)が1,508.5kmに及ぶ。
国鉄時代の24系寝台客車を使用するが、個室寝台を中心に改造され、塗色はこれまでの寝台列車=ブルーではなく、ダークグリーンに黄色帯とし、鮮やかなピンクのヘッドマークがなんとも誇らしげ。JR西日本は9両編成×3本と電源車4両を所有し、原則として下りは月・水・金・土曜、上りは火・木・日曜運転の臨時列車である。
「トワイライトエクスプレス」はJR移行後の1989(平成元)年7月に団体専用列車としてデビューするが、12月に一般利用可能な臨時列車に変更された。電源車を除く9両編成のうち、1・2号車はA寝台個室で2人用のスイート2室と1人用のロイヤル8室が設けられている。 スイートはリビングとベッドルーム、ロイヤルはセミダブルベッドと電動式ソファが用意され、シャワールームやトイレまで完備。なかでも1号車1番のスイートは大阪方の最後部に連結され、展望が楽しめる最上の個室だ。 3号車は「ダイナープレヤデス」と呼ばれる食堂車でフランス料理のディナーコースなどが提供される。4号車のサロンカー「サロンデュノール」は天井付近まで窓が広がり、雄大な車窓風景が満喫できる。5~7号車はB寝台個室で1人用のシングルツインと2人用のツイン、8・9号車はBコンパートメント(4人用簡易個室)である。 下りは22時間2分、上りは22時間48分かけて走る「トワイライトエクスプレス」であるが、実に12路線を経由することになる。
日中に走る時間帯が長いことも特徴のひとつで、最大の見せ場となる日本海の眺めも存分に楽しめる。圧巻は直江津~柏崎間の信越本線。時期にもよるが日本海に沈む夕日が見られるかも…。青函トンネルを抜けると北の大地をひた走る。意外と知られていないが、大沼~森間では上下列車で異なるルートを経由する。いずれも函館本線ではあるが、下りが“本線”経由なのに対して、上りは勾配が緩やかな“砂原線”を通るのだ。 「トワイライトエクスプレス」の牽引役にも注目したい。大阪~青森間は交直流電気機関車EF81、青森からは海峡線用の交流電気機関車ED79にバトンタッチし、五稜郭~札幌間はディーゼル機関車DD51重連が担当する。
車両形式: | 24系 EF81(大阪〜青森)、ED79(青森〜五稜郭)、DD51(五稜郭〜札幌) |
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運転区間: | 大阪~札幌 |
走行距離(営業キロ): | 1,495.7km(大阪→札幌)、1,508.5km(札幌→大阪) |
最高運転速度: | 110km/h |
営業運転開始日: | 1989年7月21日 |
所有会社: | 24系(JR西日本網干総合車両所宮原支所) EF81(JR西日本敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室) ED79(JR北海道函館運輸所青函派出所) DD51(JR北海道函館運輸所) |