第7回 スーパー北斗・北斗
北海道の主要都市である函館と札幌を結ぶ特急列車は「スーパー北斗」7往復、「北斗」4往復の合計11往復が運転されている。「スーパー北斗」および「北斗」は道南エリアのメインルートである函館本線、室蘭本線、千歳線を最高130km/hで駆け抜ける高速ディーゼル特急だ。
愛称名の「北斗」は北斗七星に由来するが、もとは常磐線と東北本線を経由する夜行急行に使用されていたものである。1965(昭和40)年10月に急行「北斗」は特急「ゆうづる」に格上げされ、同年11月から函館~旭川間の「北斗」が運行を開始。「ゆうづる」と「北斗」は青函連絡船を介して接続するという不思議な縁もあった。
「北斗」には長らくキハ80系を使用していたが、1983(昭和58)年から北海道向けに開発された特急形気動車のキハ183系を投入。1986(昭和61)年には8往復全てがキハ183系に統一された。1988(昭和63)年の津軽海峡線開業に伴って夜間早朝の「北斗」を寝台特急「北斗星」に振り替え、キハ183系500番代によるスピードアップが図られた。函館~札幌間を3時間29分で結び、表定速度は91.5km/hに達するなどディーゼル特急としては驚異的な走りを見せた。
1994(平成6)年3月のダイヤ改正では「スーパー北斗」として振り子式気動車のキハ281系が登場。曲線区間の速度も向上し、気動車では初めてとなる最高130km/h運転を開始する。その結果、最速列車の所要時間は30分短縮されて2時間59分となった。現在でも「スーパー北斗15号」が3時間ジャストで結び、在来線特急列車の表定速度第1位(106.2km/h)の座をキープしている。登場時は5往復運転だった「スーパー北斗」は1998(平成10)年に2往復増発され、キハ281系をベースに走行性能と耐寒耐雪構造を強化したキハ283系も運用されるようになる。「北斗」で使用されるキハ183系には最高130km/h運転対応の改造車(2550・3550番代)が登場した。
「スーパー北斗」は7両編成を基本とし、多客期には最大9両編成で組成されることもある。一方の「北斗」はハイデッカーグリーン車を含む5両が基本編成だ。車窓のハイライトは小沼や大沼の景観、荒々しい山容の駒ヶ岳、道南を象徴する内浦湾(噴火湾)などで、室蘭本線(電化区間)では28.7kmに及ぶ日本最長の直線区間も走る。
車両形式: | キハ281系、キハ283系(「スーパー北斗」)、キハ183系(「北斗」) |
---|---|
運転区間: | 函館~札幌 |
走行距離(営業キロ): | 318.7km |
最高運転速度: | 130km/h |
営業運転開始日: | 1965(昭和40)年11月1日 |
所有会社: | JR北海道函館運輸所・札幌運転所 |