第5回 川湯温泉駅(JR釧網本線・北海道)

湯の閣

摩周湖と屈斜路湖にはさまれた位置にある川湯温泉駅。イチイの丸太を組んだ山小屋風の駅舎が北海道らしい。ここから川湯温泉街まではおよそ4kmある。途中から硫黄の匂いが強くなってくるのがわかるだろう。

川湯公衆浴場

山肌から蒸気を吹き出し続けているのが硫黄山で、川湯温泉の湯脈はこの山の地下をもぐって湧いてくる。硫黄分を多く含んだお湯はPH値が1.9とかなり酸性度が高く、草津によく似た個性的なお湯である。

川湯公衆浴場の外観

明治のはじめ硫黄採掘の作業員を相手に湯宿を建てたことに始まる川湯温泉は、今では北海道有数の温泉地として発展している。温泉街には20軒足らずの湯宿が点在しているが、いずれも団体客に対応できるほどの大きな規模のホテルばかり。

川湯温泉の足湯

街中は北海道らしく自然が豊かだ。散歩道を整備した公園には足湯も用意している。こぼれるお湯はそのまま湯の川となって街中を流れていく。とにかくお湯の量が豊富なのだ。川湯では、全国の温泉でレジオネラ菌騒ぎや入浴剤混入事件が起こったときに、温泉街をあげて「源泉100%かけ流し宣言」をした。どの宿も自家源泉をもっており白濁した新鮮そのもののお湯が楽しめる。

砂場

川湯温泉からさらに奥へ4kmほど進むと屈斜路湖が見えてくる。屈斜路湖の周辺は温泉の宝庫と言えるほどで温泉ファンの垂涎の地なのだ。湖を洗う砂地のどこを掘っても温泉が湧き出してくる。東側の「砂湯」が一番の名所になっていて、観光客は思い思いに砂地を掘って湧いてくるお湯に浸かっている。川湯温泉の硫黄泉とはまったく違う泉質のお湯で無色透明でくせがない。野趣あふれる無料の露天風呂も湖畔に点在している。直径15mの大きな池のような形をした「池の湯」では足元からお湯が沸いてくる。

コタンの湯

その近くの「コタン温泉」は小さな湯船だが屈斜路湖と一体になったようなロケーションが魅力だ。冬には白鳥が目の前まで泳いでくるとか。屈斜路湖の露天風呂から眺める景色にはさえぎる人工的な物がなく、目に入るもの全部が自然そのもの。お湯に浸かりながら貴重な時を過ごせる喜びをかみしめる。温泉の醍醐味だ。

立ち寄り情報: 川湯温泉「川湯公衆浴場」 8:00~20:00(水曜休) ¥250
  屈斜路湖畔の「砂湯」「池の湯」「コタンの湯」 24時間すべて無料

November 2020

2020年11月

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