若桜鉄道
鳥取県西部を走る若桜鉄道は郡家駅と若桜駅を結ぶ19.2kmの路線。鳥取市と津山市間を走るJR因美線の郡家駅から分岐している。全列車が鈍行列車の非電化ローカル線。鳥取県や八頭町、若桜町などが施設の保有管理を行い、車両や乗務員の管理を行う上下分離方式の第三セクターとして運行している。開業当時は因幡船岡、隼、安部、八東、丹比、若桜の6駅だったが、現在では八頭高校前、徳丸の2駅を加え、JR西日本管轄の郡家を合わせた9駅となっている。2010年には、前身の国鉄若桜線が全線開通から数えて、80周年の節目を迎えた。
若桜鉄道の車両はWT3000形3両とWT3300形1両の計4両のディーゼルカーで運用されるが、JRのキハ40系も乗り入れている。列車の大半は因美線から直通し、鳥取から発着するが、山陰本線米子からの直通列車も設定されている。
車窓には八東川の流れと若桜谷が広がり、中国地方第二の高峰である氷ノ山が遠望できる。終点の若桜をはじめ因幡船岡や八東など味わい深い木造駅舎も残されている。列車はおおむね2時間に1本程度だが、周辺散策を兼ねて途中下車してみるのもおもしろい。
若桜鉄道は2007(平成19)年8月にC12形蒸気機関車を譲り受けた。蒸気ではなく圧縮空気を動力として、月に2回程度、若桜構内で元気に走行する姿が見られる。構内には給水塔や転車台といったSL時代の設備も残る。SLの構内体験運転や本線走行のための復元募金も受付中である。今後、ますます観光鉄道として注目を集めるだろう
開業年: | 1987(昭和62)年 |
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営業キロ: | 19.2km |
所要時間: | 約30分(郡家駅~若桜駅) |
動力方式: | 内燃 |
運行車両: | WT3000形、WT3300形 |
営業本数: | 20本(郡家駅~若桜駅) |
主な観光スポット: | 船岡美人温泉(因幡船岡駅から徒歩約5分)、 矢部家住宅(丹波駅からバス約10分)、 不動隠岩屋堂(若桜駅からバス約10分) |
写真提供:佐々木修宏